「おかあさんんといっしょ」のおにいさん時代には坂田さんが作る歌の"きびしいモニター"だった娘さん――坂田めぐみさんとは、近年、めぐみさん作詞、坂田さん作曲の親子コラボ曲も発表。これもまた"世代を越え、世代をつないでゆく"アプローチですね。

坂田:ええ。幼い頃、僕が歌を作っているのをずっとあの子は聴いていて、最初はおとうさんのこと尊敬してたらしいんですけど(笑)、中学高校になると「父親がうたのおにいさん…」とちょっと斜めに見だして(笑)、ロックとかに行って、そのうち自分でも歌を作ってみようと思ったらしいです。初めは恋愛ものの歌が多かったかな? のちにNHKのこども番組のスタッフのかたに声をかけていただいて、あのこも最初は「うーん…」って感じだったかもしれない。でも、「そんな仕事なかなかこないよ」「そうか」なんてやってるうち、こどもに揉まれて作れるようになってきたんじゃないかな。

 僕とも何回かいっしょに作ったことはあるんだけれど、…あまり採用されてなかったか(笑)。「おかあさんといっしょ」の2019年7月のうた「ワン・ツー・スリー!」は、めぐみが作詞、ぼくが作曲です。

 「ワン・ツー・スリー!」は曲先で、僕が最初詞も作って進めてたんだけど、どうも気に入らない。で、めぐみに「おまえちょっとこの曲に詞、はめてみない?」って頼んだら「やってみる」って。

 はめこみにはけっこう苦労してたかもしれない。でも、あがってきたら「おお、こういう詞がつくか!」とびっくりしたんだけど、よくできてた。オンエアを見た時は、親子で作ったからという感慨ではなくて、歌の完成形を見て素直に「いい!!」と思いました。 「ワン・ツー・スリー!」は詞だけだけど、彼女、いつもは作詞作曲両方が多いみたい。

 「おとうさんといっしょ」の歌もいくつか作ってるんだけど、実は、彼女が曲を作ってるのは僕の部屋の隣だから、作ってる途中経過が聴こえるのよ(笑)。「ピンクドラゴンの伝説」という歌を作ってるのが聴こえてきて「これ、いいんじゃないの?」って言ったのは覚えてる。そしたら「そっかなあ。これ出していいかなあ」「採用されるかもねえ」って言ったら、うまくいったみたいよ(笑)。

こどもの歌に興味をお持ちのかたに、最後にメッセージをお願いします。

坂田:童謡・こどものうたを、いっとき聴いて歌うだけものではなく、人生の指針になる"基本"だったり"始まり"のものなのだと捉えてみると、人生が豊かになるのでは、と。――こんな僕が言うのもなんですが、思ったりしております。

坂田おさむ

シンガーソングライター・作詩家・作曲家。

1977年「BYE-BYE東京」でシンガーソングライターとしてデビュー。 1985年から1993年までNHK「おかあさんといっしょ」の第7代「うたのおにいさん」を務める。
代表作は、「どんないろがすき」「ありがとうの花」「にじのむこうに」「あしたははれる」「タンポポ団にはいろう!!」「シアワセ」「はるのかぜ」「夢の中のダンス」(以上「おかあさんといっしょ」)、「ママの結婚」(「みんなのうた」)など。
親子三世代ファミリー層を中心に絶大な人気を博し、ファミリーコンサートを展開しているほか、障害を持つ子とその家族を対象としたステージ、小児病棟や心臓病の子の集いなどの活動も広く行っている。2021年童謡文化賞受賞。

うたのおにいさん 坂田おさむオフィシャルウェブサイト http://www.osamu-world.com/

坂田おさむツイッター      https://twitter.com/sakata_osamu


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「ワン・ツー・スリー!」「どんないろがすき」etc…。坂田おさむさん・めぐみさんの親子デュエットも配信中

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